透明水彩絵具

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透明水彩は小学生の時に使った絵具やポスターカラー、ガッシュとは性格が違います。
下の色を隠さないので鉛筆の下書きや下塗りが生きてきます。
基本的に白い絵具は使いません。白いところは紙の白地をそのまま利用するからです。

「じゃあ、ピンクや人の肌はどう表現するの?」

不透明水彩絵具や油彩では赤やオレンジに白を混ぜて作りますが、
透明水彩では水をたっぷり使って色を薄くします。
紙の白地が透けて見えるので水で薄めた赤を重ねればピンクに見える訳です。セットで買うと白い絵具が必ず入っていますが多くの画家は混色には使用しません。なぜならば白を使って混食すると画面に濁りが出てせっかくの透明感が損なわれるからです。白は仕上の時にハイライトなど部分的に使用するのが一般的です。(ガンガン混ぜてる人も居るには居る)
又、黒も単色ではあまり使いません。黒い物体でも光が当たっていれば黒には見えないからです。黒は闇、まっくら~な世界、黒い絵具は薄めてグレーにしたり他の色と混色でトーンを落とす時に使用します。

白を混ぜた色と水で薄めた色の違い

鉛筆、黒のサインペンでラインを引いた上から絵具を重ねたもの。
左が赤の絵具に白を混色したもの、右が赤を水で薄めたもの。
透明度の違いは明らか。

不透明水彩と透明水彩の違い

黄色で塗った上に青い絵具を重ねたもの。
左が透明水彩、下塗りの黄色が透けてグリーンに見える。
右はガッシュ(不透明水彩)、多少透けているものの下塗りの色は隠れてしまっている。

絵具の種類

透明水彩絵具には大きく分けて固形、半練り、チューブの3つがありますが、一般的に売られている物は「パン」「ケーキ」(食べられませんよ!)となじみの深い「チューブ」です。それぞれ好みと用途で使い分けます。

私の場合、1枚の作品を仕上げるのに使うのはせいぜい10色程度ですが、パレットには24~26色ほど入っています。風景と花の絵を描くのでは、使う色も変わってくるからです。
でもそれ以上有ると頭がこんがらかってしまう(笑)


固形絵具(ハーフパン)

■持ち運びに便利

キャラメルの様な白いプラスチックの容器に入って、専用のパレットに収まってます。これは英国の老舗Winsor & Newton社の16色セット(ヘビーウェイトBOX)を購入し、後からバラ売りのパンを付け足しています。メーカーもラウニー、レンブラントなど色々です。
パンには「ホールパン」、「ハーフパン」、「クォーターパン」と3種類の大きさが有りますが、バラ売りだと日本で容易に手に入るのは「ハーフパン」のみです。
コンパクトに収納出来るのでカバンに入れて持ち歩いたり、スケッチに持って行ったり、人に見せて自慢したり?・・と何かと便利。
固形ですが容易に水を含ませた筆で色をとる事が出来ます。最初にスポイトで1滴水を差してやるともっと楽チン!!

チューブ絵具

■柔らかいうちなら溶けやすい

大量に絵具を溶くにはこっちの方が便利。
国産「ホルベイン」などは5mlと15mlが有りますが、輸入品は5mlしか店頭には置いてないようです。
子供の頃使っていた水彩のチューブは乾くとボロボロになって捨てるしかなかったけど、透明水彩絵具は乾いて固まっても水で溶けば又使うことが出来ます。
何故か?不思議ですよね?
透明水彩には顔料を練るメジウムに高純度なアラビアゴムを精製したものが使われています。アラビアゴムは無色透明で水に溶けやすい性質を持っているので固まっても水で溶けば元通りに使うことが出来ます。
これに対し学童用の絵具は価格を低く抑える為メジウムに澱粉系の糊と白味のある増量剤を使用しているので不透明で乾くとボロボロになってしまうらしいのです。まぁ、余談ですが・・

ケーキカラー

■値段はお手頃

絵具を完全に乾燥させてから粉状にしたものを固めています。
使い方はパンと同様、無くなったら単色で補充可能。

ホルベインのケーキカラー(24色)

丸いお皿に入ってます。

ペリカンのケーキカラー(24色)

四角いお皿に入ってます。

絵具メーカー

■色々あります!

私の使用しているチューブのメーカーです。
右からウインザー&ニュートン(イギリス製)、シュミンケ・ホラダム(ドイツ製)、レンブラント・ターレンス(オランダ製)、デイラー・ラウニー(イギリス製)、クサカベ(日本製)、ホルベイン(日本製)、ターナー(日本製)いずれも専門家用透明水彩。そして左端がホルベインのガッシュ(不透明水彩)の白です。

価格は高い順からシュミンケ→レンブラント→ラウニー→ウインザー&ニュートン→ホルベイン→ターナー→クサカベといった具合でしょうか?あくまで総合的な価格での話なので色によって(顔料の違い)も値段はバラバラ。

なんでこんなに色々なブランドを使っているかというと、限られたパレットの仕切に絵具を並べた時に同一メーカーではどうしても自分に合わない色が出てくるからなのです。24仕切のパレットの中に七つのメーカーは多い気もしますが、色々試しているうちにこうなってしまいました。それ故に無駄な出費もずいぶんとあった事は否めません。

品質という点では価格の差ほど大きな違いはないというのが私の実感ですが、海外のブランドは単一顔料での構成が目立ち、彩度が高く、絵具の濃度も高いというのが印象です。特に原色系(赤、青、黄)の絵具は素晴らしいです。それに対し国産のものは中間色のラインナップが豊富です。混色の手間を省き、使いやすさを重視しているのでしょうか?

私は1部の色を除き、基本的には単一顔料で揃える様にしています。チューブから出した絵具をそのまま使う事は余りなく、どちらかというと頻繁に混色する方なので出来るだけ組成が単純な物の方が彩度の低下、濁りを防ぐ事が出来るからです。
特に国産の物は高価な顔料、毒性の強い顔料(コバルト系やカドミウム系、ビリジャンなど)を使用せず、代替え顔料で製造する傾向にあります。それ自体は悪い事とは思いませんが、せめて色名は変えて欲しいですね。例えばオーレオリン(コバルトイエロー)は黄系ではめずらしくコバルトを原料とした透明な色ですが、代替顔料にホワイトを添加して透明感が損なわれているにも拘わらず、色名はそのままで高い価格で販売してたりするので注意が必要です。
またあるメーカーでは買う度に色味が異なる、極端に粒子が粗い、固まると粉を吹く、パレットから剥離するなど首をかしげたくなる様な製品も存在します。
 又ビリジャンは海外製品でも固形のパンの場合は製品にばらつきが多く、極端に水に溶けずらいものに当たる確率が高いので、その時は運が悪かったと諦めましょう(笑)

良い画材が無けりゃ・・

絵が描けない訳じゃない。ましてや上手な絵が描けるわけでもない。
そんな事は百も承知・・・でもちょっとしたこだわり、ささいな喜び。どうせ描くならお気に入りのものに囲まれていたい。そのぐらいの贅沢は許されるはず・・・ここは私のオモチャ箱

僭越ではありますが・・

ここでは水彩画の道具について初心者の方が見ても分かる様に説明しているつもりですが、私の個人の価値感、使用感ゆえにエキスパートの方々が見れば眉をひそめる様な記述が多々あるやも知れません。なんらかのご指摘・ご指導が御座いましたらこちらのほうへ。

結局のところ・・

安かろうが高かろうが自分にあったものを見つけるのが1番なのは言うまでもありません。でもそこにたどり着くには色々試してみなけりゃ分かりませんからね。コレって決めつけるのもつまらないし、気分次第であれこれ触ってみるのも楽しいのです♪